悲嘆の世界樹の裁定者
リアルが色々と落ち着いた。
すごいwwwすごいwww
どこぞのネクロマンサーをやり過ごした所で、
性懲りもなく落書きをしたくなったので、する。
という物をやってみた。
Fateという物がどういう作品なのかは割愛するとして、
もしあたいがサーヴァントととして召喚される場合、
そのクラスが何になると思うのか、という物を問うアンケートである。
タイムラインを調べた所、このアンケートで出てくる物は以下の物だ。
・セイバー《剣士》
・アーチャー《弓兵》
・ランサー《槍兵》
・ライダー《騎兵》
・キャスター《魔術師》
・アサシン《暗殺者》
・バーサーカー《狂戦士》
・ルーラー《裁定者》
・アヴェンジャー《復讐者》
このうち、ルーラーとアヴェンジャーを除いた7つが基本のクラスと呼ばれている。
FGOと銘打っておきながらシールダー《盾兵》がいないとはこれいかに、と思ったが、もしかしたらあたいが観測できなかっただけかもしれない(1~2ヶ月分のこのアンケートのツイートを遡ってCtrl+Fで検索したが見つからなかった)。
さて、それはそれとして、この診断という名の乱数のアルカナが導き出した4つの可能性は以下の4つ。
復讐者、裁定者、剣士、槍兵の4つである。
で、これを1週間放置した所集まった票はなんと3票。
この馬鹿げた問いに特殊解を与えてくれた賢者が3人もいたのである。
で、結果だが、裁定者が2票、剣士が1票であった。
めでたく裁定者《ルーラー》のサーヴァント、ななみつが召喚されたわけである。
さて、ここまでは前フリである。
今このタイミングでこれまでの話が前フリにすぎない事を観測したあなたは、
0.3%くらいの確率で目前の仮想の窓を叩き壊したくなり、
97%くらいの確率で「戻る」ボタンを押したくなったろう。
どうせいつもどおりのグダグダなのでいつでも自由にその緊急脱出装置を押してくれて構わない。
でだ、めでたくルーラーと化したわけだが、実はこのルーラー、
先程挙げた4つの中で最もなりたくないクラスである。
Fateの世界観やその辺に詳しい人ならば、もしかしたら分からんではないかもしれない。
この裁定者というクラスのサーヴァントは、Fateシリーズの(大体の)根幹を為している、聖杯を巡って7人のマスターとそのサーヴァントが争う聖杯戦争において、何か特殊な事情が発生する場合に、聖杯戦争という概念その物を守り、そこに秩序を与えるため、聖杯その物によって呼ばれたり呼ばれなかったりする特殊なクラスのサーヴァントなのである。
詳しくはこの辺りを参照して頂ければ分かりやすいだろう。
で、これが何故嫌なのかという話だが、理由は大きく2つあって、
1つは「何かを裁定する事は極度に難しい事」、
もう一つは「本当の意味での秩序は為せない事に1番最初に気づく存在である事」
である。
前者は簡単である。
万人が納得するルールはそんな簡単に作れる物ではない。
いくら根拠や理論を準備してそれを説明しても、
「それが嫌だと言っている人間の前でそんな事が言えるのか」
というような、根拠も何もない単純な感情論にすら、
場合によってはひっくり返されるような代物である。
このあたりは、TCG(トレーディングカードゲーム)における、禁止裁定などを見ているとよく分かる。
TCGは、基本的に(発売時期等でおおまかに縛りはあったりするが)発売されたカードであれば、一部のネタカードやおふざけカードでなければ大体全て使えるのだが、中には、極度のカードパワー、或いは組み合わせの暴力、開発陣の不手際などによって、公式大会で用いられるデッキに異様な偏りが出る事がある。
ゲームバランスの上では、いつ見ても似たようなデッキしかいないというのは宜しくない状態であり、様々なデッキがそれぞれメタゲームを形成している方が良いと考えられており、そういったカードを禁止、或いは制限として、デッキの中に入れられないようにしたり、入れる枚数や組み合わせ方を制限する事がある。
どういうわけか知らないが、国産のTCGはことこれをやると相当に叩かれるような印象がある(完全にあたいの主観なので、暇な人は調べてみてほしい)。
確かに面白くはない。あたいもかつて神秘の代行者アースが制限を受けた時、空いた穴に何を入れれば良いのか相当に困った事がある。
それに限らず、愛用しているカードが使えなくなるというのは面白くない。
だから極力制限はかけるべきでない、というのは理屈として分かるし、恐らく開発陣も無闇矢鱈と制限だ禁止だと言うような事態は避けたいと思っている筈だ。
どっかの闇のゲームの本尊は知らん。
しかし、そもそも開発が何故そういった制限を設けるのか、と言えば、それはゲームの環境を調整し、より楽しく遊べる環境を提供する為に他ならない訳であり、じゃあその環境は誰の為の環境なのかと言えば、他でもないプレイヤーである。
形はどうあれ、プレイヤーの為に設けられるその制限が叩かれる筋合いは基本的にないのだ(開発が訳の分からん所を制限した結果全く関係の無いような所が死んだ場合は別だが)。
話が相当横道にそれたが、ともかく、例えそのルールがそれに従う人々の為の物であっても、その事を理解してくれる人が少ない、なんていう事態は滅多に起こらないような事ではない。
ややこしい事に、この世界はある程度定和(ゼロサム)な所があって、誰かが得をすると誰かが損をするような仕組みになっている場合がある。
基本的にその天秤のどちらかにいる存在が多少得をするような構造にならざるを得ない。
就職活動の解禁時期について昨今は相当もめているが、あれは分かりやすい例だろう。勉学に集中させたいと願う学府と、より良い選考を行いたい企業とが天秤に掛けられているのである。
あの話の最大の問題は、その天秤の調整をする為に損をするのがその天秤で救われるべき学生であるというパラドックスと、定めた天秤を無視する連中のせいで定められた天秤が本当に有効だったのかどうか全く分からない事の2つだろう。
ともかく、基本的に裁定をする、という場合、天秤の釣り合いを取るというよりかは、天秤を適度に傾ける、という事になる。言い方が違うだけで本質的には同じ事なのだが。
裁定者は、その裁定に責任を持たなくてはならない。
言った事が正しくなるが故に裁定者と呼ばれるのかもしれないが、
だからと言って適当な事を言うわけにはいかない。
裁定者とはそういう物だ。
で、「本当の意味での秩序は為せない事に1番最初に気づく存在である事」にここでつながる。
裁定者が望む事はなんだろうか?
あたいだったらこう答えるだろう、「自分が存在していなくてもよい世界が生まれる事だ」と。
そもそも裁定者というのは、正すべき、裁くべき歪みが存在しているからこそ生まれる概念であり、正すべき物が無い、即ち全てが正しいまま在る事が出来るのであれば、初めから裁定者という概念は存在していなくてよいのだ。
つまり裁定者という概念が生まれた時点で、そこには裁定者の望まない世界が広がっている事になる。
そんな世界で望んで生まれた裁定者は、一体何を思うのだろうか。
もし望みが叶ったのならばよいが、それが為らなかった時どうだろうか。
もしうっかり、裁定を与えるべき存在から非難され、世界から追放されるような事があれば何を思うだろうか。
護るべき物に直接触れる事ができるが故にその護るべき物に否定される事程苦痛になる事はないだろうと思う。
そうした時、裁定者は知るのではないだろうか。
裁定者の思う秩序は永遠に為せないのだと。
裁定者はその願いに反して、あまりに脆い立場にある。
あなたは裁定者に何を思うだろうか。
個人的にはアヴェンジャー《復讐者》とかになりたかったなぁ。
ルール守って酷い目に遭ったりしてるし。